散骨ってなかなか大変です
もう10年ほど前のことですが
長い間、認知症で困ってきていた友人のお母さんが亡くなられました
彼女も独身で兄弟もいないことから
海に散骨をすると前々から決めていました
私もできることがあったら言ってね!と言っていました
ある日お母さんが亡くなられた、という知らせがありましたが
私は運の悪いことにちょうど母が老健施設に入居する日でしたので
駆けつけてあげることも出来ませんでした
ジタバタする母に翻弄されて
何も手伝ってあげることができませんでした
私のほうが落ち着いてきた頃
彼女から連絡があり
しばらくぶりに会うことになりました
その時、彼女が話したことは怖がりの私が震えあがるものでした
今はお葬式から何日立っていたかは忘れてしまいましたが
散骨のやり方は彼女が軽く考えていたようなものではなかったようです
まず、お骨は粉々にしなければならず
ベランダで粉々にしたようです
これは今はそういうことを頼める業者もいるようですが
その頃はいなかったのかな?と今は思います
でも、お母さんの介護に10年近くを大変な思いをしているのを見ていて
見かねた私がいくら介護施設に入居してもらいなさいよ!と
勧めても受け付けなかったような人ですから
全てを自分でやりたかったのかもしれませんね
散骨の日は三浦半島から船を出して
黒潮の流れるあたりまで行って
海に流したそうです
その後、骨壷も壊して処分しないといけなかった、と言っていました
そして、これが一番気持ちが悪く、怖かった、と言うのを聞いて
私も何も手伝っていないのに
ゾワ~!!と怖くなりました
よく何もかも一人で!と思うと
しっかりしている人だな!とあらためて思いました
そして、私はというとバチあたりなことに
そういうことをする日に呼ばれなくてよかった!と
内心、ホッとしていたのです
聞いているだけで怖いもの!
また、しばらくしたら彼女が
「私は樹木葬にするの!」と場所を探していると電話がありました
「あなたもどう?」と言われたのですが
「私は普通にする」と言って断りました
彼女は樹木葬の場所やら何やらを探しているうちに
同じ考えの気の合う人たちと出会えたようで
「時々会っているのよ」と楽しそうに話していました
ちょうど上野千鶴子さんが「おひとりさまブーム」を
巻き起こしていた頃です
その後、彼女は気にいるところが見つかった様子ですし
私はお寺の合祀墓を買い、戒名も赤字で入っています
子どもたちにはここにお骨を入れたら
お墓参りには来なくてもいいよ!と言っています
だって、私はあんな暗くて狭いところにはいないから!
「千の風になって、大空を吹き渡っています」とい
秋川雅史の歌のように
楽しく思い出してくれるだけでいいと思っています
いや!腹を立てながら思い出すことになるかもね?
でも、気にしないようにしよう!